ベンソクロミスのポップアイ
ポップアイ
ある朝、ふと水槽を覗くと一匹の片眼がデメキンのように突出しているのを発見(写真左)。かなり内出血しているらしく大きな血留が見えます。幸い休日だったので慌てて空の60cm水槽に本水槽の水を移して隔離。規定量のパラザンDと約0.15%の食塩を加えました。食欲は旺盛だったので人工飼料にパラザンDの原液を浸み込ませて給餌。小型のスポンジフィルターのみでの維持になるため週2回の換水を続けました。薬は常に規定量、他の水質調整は通常通り。3−4週間の一進一退の後、病状は回復に向かいました。治療開始後一月半、7−8割治癒した状態のとき長距離の引っ越しをすることになり、やむなく本水槽に戻す。その後一ヵ月でほぼ完治(写真右)。薬浴により褪色しましたが、現在ではほぼ回復しています。発病の原因は不明ですが、水質の悪化とは思いたくないところです。渓流魚などでは水槽壁への激突がポップアイの原因になることがあるようですが、ベンソクロミスもパニックを起して激しく激突することが多い魚です。
パラザンD
オキソリン酸。これはoxolinic acidであって、燐酸の一種ではありません。細菌のDNAジャイレースという酵素の阻害剤。
キフォティラピア腹腔のガスを抜くも再発
注意:今回この方法の有効性については結論を出さないことにします。魚に針を刺すのはもちろん危険です。
最も厄介なキフォティラピアのトラブルは腹腔にガスが溜って魚体が水面に浮き上がってしまう病気だと思います。原因はハッキリしていないようですが、水面や気泡からの空気の取り込み、空気を含んだエサなどの影響や、ストレスとの関連、細菌等の病原体の影響が考えられているようです。
写真の個体は飼育9年目のメスで何度も産卵・繁殖の経験がありますが、2−3年前から浮き上がりがちになり、この半年間はもがくように水面に横たわったままです。給餌のときのみ無理矢理潜ってきて沈んだエサをかなり食べるので、体力はまだあるようですが、水面上に出た部分の皮膚は荒れてしまい、何らかの対策が必要になってきました。注射針でガスを抜く方法があるようなので、これを試してみました。
胸ビレの後ろの部分に大きな膨らみがあります。左右ともありますが、左側の方が大きくなっています。
内蔵の配置を想像して出来るだけ臓器にダメージを与えずガス留に届くように注射針を刺しました。水中で腹部を押さえると針から泡が出たので、やはり溜っていたのは気体だと思います。
ガス抜き直後、胸ビレの後ろの部分が多きく凹んでいます。1−2時間で全く正常な泳ぎ方に戻りました。
しかし、1週間後、再び腹部が膨らみはじめ魚体は浮き上がってしまいました。