Aquarium
全て極一般的な機材です。
フィルター:基本的に上部式です。半年毎に濾材(リング状)を洗います。濾過槽内最上部にはもちろんマットを敷き、これは毎週洗います。事情により外部式を使用する場合はエアレーションに注意します。特にディフューザーはエアチューブの外れや通気口の詰まりが起り易いので別系統でエアポンプを追加しています。私はスポンジフィルターが好きなので各水槽に付けていますが、多分上部式のみで十分です。
底砂:基本的に田砂ですが、他ページで紹介したように他のものも使います。
水温:季節により22–28℃。
水換え:週1回、飼育密度により20−80%。水質調整は下の「人工湖水T/C」参照。
安全対策:ガラス水槽が割れたらどうしようもありませんが。上部フィルターはガムテープで水槽に固定。ポンプも何らかの固定。ヒーター、サーモスタットのセンサーはストレーナーよりも深い位置に。石を積み上げない。電源タップは床から上げる。(水のかからない壁の上の方につり下げた方が良いと思います。)
一言:機材は10年以上使い続けているものもあります。購入時には部品の他メーカー品との互換性や長期的な供給体制を考慮した方が良いと思います。
人工湖水T/C
安価で秤量が単純な水質調製のレシピです。タンガニイカ湖水の化学組成は例えばこのサイトに紹介されています。全国の水道水の水質はこのサイト。
既に十数年この水質調整で飼育しています。
人工湖水T/C
水道水(活性炭浄水器使用) 20リットル
炭酸水素ナトリウム(重曹、NaHCO3、日本薬局方) 5ミリリットル
塩化マグネシウム六水和物(MgCl26H2O、食品添加物) 2.5ミリリットル
塩分が1/2の食用の塩 1.25ミリリットル(塩化ナトリウムと塩化カリウムが半々で他の添加物のない製品)
人工湖水T/C Ver.2
水道水(活性炭浄水器使用) 20リットル
炭酸水素ナトリウム(重曹、NaHCO3、食品添加物) 5ミリリットル
塩化マグネシウム六水和物(MgCl26H2O、食品添加物) 2.5ミリリットル
塩化カリウム(KCl、食品添加物) 0.6ミリリットル
(2019年現在、価格変動と通販の発達でVer.2がお奨めか?)
薬品は粉末または細粒です。体積は計量スプーンで計ります。
炭酸水素ナトリウムは、水に溶解してナトリウムイオン(Na+)と炭酸水素イオン(HCO3-)になり、pHを整えます。普通の水道水を使用した場合、これでpH8.0-8.5になるはずです。薬局で日本薬局方のものが安価で購入できます。(注:その後、様々な目的で家庭で重曹を使用する人が増えたのか、2019年現在では、通販で食品添加物グレード品などが数キログラム単位で安く入手できます。)
塩化マグネシウムは、硬度を調整するために加えます。硬度はカルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)の量で決まります。日本の平均的な河川水の Ca2+:Mg2+の量比は約3:1ですので、水道水中でも Ca2+:Mg2+=3:1と予想されます。(自治体によっては水道局でこの比率を教えてくれます。)うちの水道水の硬度はGH5ですので(ドイツ式GH1=アメリカ式GH17.85)、 Ca2+についてはタンガニイカ湖水と同程度含まれており、Mg2+のみを追加します。観賞魚用キットで測定した飼育水の硬度はドイツ式で9になっています。使用する水道水を活性炭浄水器で処理していても、Ca2+、Mg2+は殆ど除かれていないはずです。(イオン交換、リバースオスモシスでは除かれます。)「六水和物」、つまり、MgCl26H2Oの 6H2Oの部分は結晶水で結晶構造に含まれる水分子です。もしこれを含まない無水塩(単なるMgCl2)を使用する場合は、量を約半分にします。最近は個人で薬品を購入することが難しくなってきていますが、入手方法としては、食品添加物や薬品を扱う店か業者に頼んでみるしかないでしょう。(注:これは2003年当時の記述で2019年現在では、通販サイトを探すと容易に見つかります。)食品添加物用を使用しますが、意外と高価で、定価で500グラム¥1,700のものを¥1,250で購入しました(2003年頃の話)。豆腐の製造などに使う「塩化マグネシウム含有物」「にがり」などの主成分も塩化マグネシウムですが、塩化マグネシウムの含量は大体20%位しかないものが多く、この目的には使用できません。ただし「にがり」の商品名でも、塩化マグネシウム六水和物95%以上のもの(粉末)もあり、これが確認出来れば大丈夫です。実はこの規格の「にがり」には500グラム¥500程度の商品もあり、最近(2019年現在)は通販で購入しています。
塩分1/2の食用の塩は、塩化ナトリウム(NaCl)と塩化カリウム(KCl)を約半量ずつ含む塩です。カリウムイオン(K+)を補うために加えます。これは塩分の摂取量を制限されている人のための食用塩として 販売されているイスラエル産の死海の塩やアメリカ産の岩塩です。スーパーやドラッグストアーで販売されています。最近では他の添加物を含む製品が増えてしまいましたが、pHに影響する成分を含むものもあるようですので、塩化ナトリウムと塩化カリウムが半々で他の添加物のない製品を使用します。500グラムで¥400以下ですので、間違って超高価なものを買わないようにしましょう。(2019年追記、某輸入品の価格が2−3年前に急に上がり、安価なものが見つけにくくなっています。)
食品添加物や試薬の規格で「塩化カリウム(KCl)」が入手可能でしたらVer.2の量で使用可能です。(2019年現在、通販で入手可能です。)それ程高価なものではありません。もちろん日本薬局方も使えます。
ヨウ素:市販の水質調整剤にはヨウ素を含むものがあります。海藻粉末などを原料に含むエサを与えていれば不足することはないと思いますが、自分で飼育水に加えたい場合は、ヨウ化カリウム(KI)を少量使用します。これは予め水溶液を調整しておき、使用時に飼育水に滴下して加えます。例えば3グラムのヨウ化カリウムを1リットルの水に溶かした液を調整しておき、これを20リットルの飼育水に数滴添加します。代用品として、ヨウ化カリウム以外にヨウ素(I2)とエタノールを含みますが、日本薬局方希ヨードチンキの使用が可能だと思います。絶対に赤チンと間違えないで下さい。 これも水で数十倍に希釈したものを数滴加えれば良いと思います。ただし、いずれも目に見えて効果の現れるものではありません。
水質については弱アルカリ性の硬水を参照して下さい。
90cm水槽20年(2016年7月)
セットものの90cmガラス水槽が使用満20年になりました。ポンプは数回交換しています。メーカーが倒産したときには店頭在庫を探してストックしました。画像は2019年3月に故障した最後の一個。その後、別ブランド名で同一品が流通しています。ガラス蓋は角が欠けていますが、セット購入時のものです。蛍光灯は使用していませんが、保管しています。設置してあるスポンジフィルターも今では生産されていませんが、これも販売終了時にスポンジを買っておきました。これ以外の機材も一昔前のものばかりです。